JMMA関東支部・エデュケーター研究会(第7回)を下記の通り開催いたします。
今回は新江ノ島水族館で展開されている豊富な教育活動の中のいくつかを見学したあと、担当スタッフからお話しを聞きます。
ふるって御参加ください。
JMMAの会員でない方や関東支部以外の方でも参加可能です。
■日時:2011年10月16日(日)午後2時~7時
■場所: 新江ノ島水族館 (http://www.enosui.com/)
午後2時―入口(湘南お祭り広場)集合(入場証をお渡しします)
午後4時―なぎさの体験館集合(無料ゾーン)
■内容(予定):
(1)午後2時~ 館内自由見学(飼育職員によるショー等の情報を当日ご案内します)
(2)午後4時~ なぎさの体験学習館でプログラム見学
(3)午後5時10分~ なぎさの体験学習館スタッフのお話
(4)午後5時40分~ 飼育スタッフのお話
(5)午後6時~ 意見交換会
■参加費: 無料
■申込方法:①~⑤を記入の上、表題「JMMA関東支部研修会参加申し込み」として、下記申し込み先までお申し込み。(メールによる受付のみ)
①お名前 ②ご所属 ③ご連絡先(メールアドレス・電話番号)④会員・非会員
⑤午後2時からの館内自由見学参加の有無
■申し込み先:Eメール:JMMA関東支部: jmmakanto@gmail.com
JMMA理事(関東支部担当) 染川 香澄、栗原 祐司
2011年9月8日木曜日
2011年3月25日金曜日
JMMA関東支部・エデュケーター研究会(第6回) 議事録
JMMA関東支部・エデュケーター研究会(第6回) 議事録
2011年3月5日(土)10時30分~@水戸芸術館現代美術ギャラリー
第6回の研究会は、茨城県水戸市の水戸芸術館現代美術ギャラリーで行われました。参加者は遠方なので少ないかと思いましたが、28人もの参加がありました。実は、水戸はJMMA副会長の水嶋英治先生(常磐大学教授)のお膝元ということもあって、常磐大学の学生が多数参加してくれたのです。
水戸芸術館では、ちょうど「高校生ウィーク」を開催中で、その時期にあわせて研究会を開催したのです。約1ヶ月間の「高校生ウィーク」の期間中は、高校生及び15~18歳の来場者は開催中の展覧会を無料で何度でも鑑賞することができ、来場者は誰でも利用できるカフェが開設され、その運営も高校生、大学生のボランティアが中心になって運営されています。同館では18年前から「高校生ウィーク」に取り組んでおり、今ではすっかり地元で定着したようです。
研究会は、まずカフェ「喫茶とびら」で、同センター教育プログラムコーディネーターの森山純子さんに同センターの活動内容を紹介していただきました。ふだんは展示室やワークショップにも使われるスペースに設けられたカフェには、ゆったりとしたソファやテーブルが据えられ、水戸芸術館のカタログなどアート関連の書籍が並んでいます。セルフサービスのカウンターにはコーヒーやお茶が用意してあり、無料で飲むことができます。そのほか、ここではいろいろな作品が展示してあり、一つはカラフルな布や糸などを自由に使って作品を制作できるコーナー「日々の針仕事」、もう一つは、文谷有佳里さんによる公開制作&ワークショップの「ドローイング-私の居場所、描く場所」コーナーで、電話しながらいたずら書きしたようなドローイングの公開制作が行われ、来場者は自由にドローイングを楽しむことができます。また、「ブカツ」と呼ばれている学芸員やアーティストとの長期ワークショップがあり、一つは高校生による高校生のためのギャラリーガイドを作成する「書く。部」、もう一つは撮った写真を本人のコメントともにポストカードブックに仕立てたり、カフェ会場で上映するスライドショーを制作する「写真部」です。昨年はこのほか「放送部!」や「サステナ部」がありました。
また、今年は展示室で「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」展を開催しており、女性アーティストによる多様な作品世界を紹介していましたが、これに連動したワークショップも開催されます。ワークショップはそれぞれ講師を招いて行われ、展示作品を題材に短編小説を書く「文芸の時間」、自分や周りにいる人たちがごきげんに過ごすためにできることを考える「保健体育の時間」、水戸芸術館にくつろぎ空間を作るための増築を行う「技術の時間」、食で人と人をつなぎ、場をつくりだす方法を実践する「料理の時間」の四つが行われるそうです。これらの活動に参加することによって、一過性の利用ではない美術館とのつながりや、来館者どうしのつながりができてくるのでしょう。
さて、研究会では、やはり森山さんの御配慮で、すぐ近くに住んでいる白鳥建二さんに御登場いただきました。白鳥建二さんは全盲のマッサージ師で、作品鑑賞を「言葉を介したコミュニケーション」としてとらえるミュージアムアクセスグループ MAR の活動などを通じ、視覚に障害がある人とない人が一緒に美術作品をみる鑑賞方法を各地の美術館で提案しています。水戸芸術館で年に数回開催される視覚に障害がある人とのツアー「session!」のナヴィゲーターを務めていますが、今回は特別に一時間程度お話をうかがった後で、実際に白鳥さんと一緒に「クワイエット・アテンションズ」展の作品を見学し、作品に触ることなく、言葉で表現することによって鑑賞するという経験をさせていただきました。白鳥さんのお話の中で印象深かった言葉は、「作品の側から手が伸びてきた感じ」(現代アートに出会って「これだ」と思った感覚)、一緒に歩いてくれる方のノリに助けられて楽しくなっていくこと、「見えている人は、見たらわかる」と思っていたが、「見ても迷うことがあるんだ」と知ったこと(「見ている人が迷ったら、ぼくも想像していいんだ」)、教えてもらっているという感覚ではなく、「自分が見ている」という気持になっていく、作品にはエネルギーがある、その人とその作品とのあいだでしか起こらないことを大事にする、「鑑賞する」を自分のものにする…などなど。
「ことば」を主たるメディアとして追求する白鳥さんの様々なエピソードやその時の考えなどを聞いていて、自分もそんな風な楽しみ方をしてみたいと思ったのは、私だけではないでしょう。
付記:2011年3月11日に発生した東北・太平洋沖地震によって、水戸芸術館はパイプオルガンのパイプの落下、美術展示スペースの天井崩落、窓ガラスが割れるなどの被害があったそうです。幸い人的被害はなかったとのことですが、現在休館中です。心からお見舞い申し上げるとともに、早期の復旧を期待したいと思います。
(文責:JMMA理事 栗原祐司)
2011年3月5日(土)10時30分~@水戸芸術館現代美術ギャラリー
第6回の研究会は、茨城県水戸市の水戸芸術館現代美術ギャラリーで行われました。参加者は遠方なので少ないかと思いましたが、28人もの参加がありました。実は、水戸はJMMA副会長の水嶋英治先生(常磐大学教授)のお膝元ということもあって、常磐大学の学生が多数参加してくれたのです。
水戸芸術館では、ちょうど「高校生ウィーク」を開催中で、その時期にあわせて研究会を開催したのです。約1ヶ月間の「高校生ウィーク」の期間中は、高校生及び15~18歳の来場者は開催中の展覧会を無料で何度でも鑑賞することができ、来場者は誰でも利用できるカフェが開設され、その運営も高校生、大学生のボランティアが中心になって運営されています。同館では18年前から「高校生ウィーク」に取り組んでおり、今ではすっかり地元で定着したようです。
研究会は、まずカフェ「喫茶とびら」で、同センター教育プログラムコーディネーターの森山純子さんに同センターの活動内容を紹介していただきました。ふだんは展示室やワークショップにも使われるスペースに設けられたカフェには、ゆったりとしたソファやテーブルが据えられ、水戸芸術館のカタログなどアート関連の書籍が並んでいます。セルフサービスのカウンターにはコーヒーやお茶が用意してあり、無料で飲むことができます。そのほか、ここではいろいろな作品が展示してあり、一つはカラフルな布や糸などを自由に使って作品を制作できるコーナー「日々の針仕事」、もう一つは、文谷有佳里さんによる公開制作&ワークショップの「ドローイング-私の居場所、描く場所」コーナーで、電話しながらいたずら書きしたようなドローイングの公開制作が行われ、来場者は自由にドローイングを楽しむことができます。また、「ブカツ」と呼ばれている学芸員やアーティストとの長期ワークショップがあり、一つは高校生による高校生のためのギャラリーガイドを作成する「書く。部」、もう一つは撮った写真を本人のコメントともにポストカードブックに仕立てたり、カフェ会場で上映するスライドショーを制作する「写真部」です。昨年はこのほか「放送部!」や「サステナ部」がありました。
また、今年は展示室で「クワイエット・アテンションズ 彼女からの出発」展を開催しており、女性アーティストによる多様な作品世界を紹介していましたが、これに連動したワークショップも開催されます。ワークショップはそれぞれ講師を招いて行われ、展示作品を題材に短編小説を書く「文芸の時間」、自分や周りにいる人たちがごきげんに過ごすためにできることを考える「保健体育の時間」、水戸芸術館にくつろぎ空間を作るための増築を行う「技術の時間」、食で人と人をつなぎ、場をつくりだす方法を実践する「料理の時間」の四つが行われるそうです。これらの活動に参加することによって、一過性の利用ではない美術館とのつながりや、来館者どうしのつながりができてくるのでしょう。
さて、研究会では、やはり森山さんの御配慮で、すぐ近くに住んでいる白鳥建二さんに御登場いただきました。白鳥建二さんは全盲のマッサージ師で、作品鑑賞を「言葉を介したコミュニケーション」としてとらえるミュージアムアクセスグループ MAR の活動などを通じ、視覚に障害がある人とない人が一緒に美術作品をみる鑑賞方法を各地の美術館で提案しています。水戸芸術館で年に数回開催される視覚に障害がある人とのツアー「session!」のナヴィゲーターを務めていますが、今回は特別に一時間程度お話をうかがった後で、実際に白鳥さんと一緒に「クワイエット・アテンションズ」展の作品を見学し、作品に触ることなく、言葉で表現することによって鑑賞するという経験をさせていただきました。白鳥さんのお話の中で印象深かった言葉は、「作品の側から手が伸びてきた感じ」(現代アートに出会って「これだ」と思った感覚)、一緒に歩いてくれる方のノリに助けられて楽しくなっていくこと、「見えている人は、見たらわかる」と思っていたが、「見ても迷うことがあるんだ」と知ったこと(「見ている人が迷ったら、ぼくも想像していいんだ」)、教えてもらっているという感覚ではなく、「自分が見ている」という気持になっていく、作品にはエネルギーがある、その人とその作品とのあいだでしか起こらないことを大事にする、「鑑賞する」を自分のものにする…などなど。
「ことば」を主たるメディアとして追求する白鳥さんの様々なエピソードやその時の考えなどを聞いていて、自分もそんな風な楽しみ方をしてみたいと思ったのは、私だけではないでしょう。
付記:2011年3月11日に発生した東北・太平洋沖地震によって、水戸芸術館はパイプオルガンのパイプの落下、美術展示スペースの天井崩落、窓ガラスが割れるなどの被害があったそうです。幸い人的被害はなかったとのことですが、現在休館中です。心からお見舞い申し上げるとともに、早期の復旧を期待したいと思います。
(文責:JMMA理事 栗原祐司)
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